こんにちは。会議通訳のあひるです。
私は海外経験もなく社会人になってから英語を学習したため,会議通訳になるまではかなりの時間がかかりました。これまで私自身の経験から学習を継続する工夫をご紹介してきましたが,最後の今回は『始めるハードルを下げる』ヒントです。
始めることで学習できる 作業興奮の話
『作業興奮』って,耳にしたことはありますか?『やる気が出て始める』のではなく『始めたらやる気が出る』というアレです。元の理論・論文自体の正当性については賛否あるかもしれませんが,ここまで色々なところで言われているだけあって,その効果自体はしみじみ実感しています。つまり,始めたら本当にやる気が出るかはさておき,なんでも始めるところが一番ハードルが高いので,始めさえすれば大抵そこそこ続けられる,ということです。
私自身なにせ『英語が苦手』から通訳までですから,山あり谷ありで長い道を進んできました。その中でやはり最後にポイントになったのは『いかに辞めずにその日すべきことを始めるか』でした。
【1】翌日やることを明確にし,準備をしてから寝る
些細なことですが,効きます。朝起きて一瞬でも『何しようかな』と思うヒマがあると,なし崩し的に時間がなくなります。1日の活動を終えた夜は大抵疲れています。朝起きて自動モードで学習に入れる状況になっていると,一気に継続のハードルが下がります。
家で学習するなら,机の上に翌朝やるべきものを全てセットして寝ます。朝起きてまずリスニングをするなら,再生ボタンを押せば流れる状態にして寝ます。朝起きてまず洋書を読むなら,起きたらすぐ開ける場所にその本(と,タイマー→前回の記事【1】)を置いて寝ます。外で勉強するなら,必要なものを全て鞄に入れ着替えを用意し,そのまま出かけられる状態にして寝ます。
そして起きたら,まず始めます。もちろん朝は支度をしたり食事をしたりとやることはありますが,まず始めます。洋書を読む予定なら,まず読み始めます。そして読んでいるとだんだんお腹が空いてくると思います。そしたら食事をします。
この,まず始めるという順番が大切。朝起きてまず食事の準備を始めたとします。そうすると食事の準備をする間に少しづつ目が覚めてきますから,今日はあれもやろうこれもやろうとどんどん思考が発散します。そうすると英語学習を始めるのがどんどん後回しになります。
しかし起きてまず洋書を読んでいたらどうでしょう。お腹が空いてきてキッチンに立っても,一度始めているため脳が読書モードになっています。そうすると不思議なもので,食事をしていてもなんとなく早く読書に戻ろうという感じになります。これ,食事が先では起きません。この『とりあえず始める』って本当にすごいんです。シンプルながら効くので試してみてください。
【2】学習を始める条件づけをする
これもよく聞きますが,やはり効きます。特定の条件で勉強を始めることを自動化,ルーティンにしてしまいます。起きたらとりあえずリスニング音声をかける,昼休みになったらとりあえずテキストを開く,等々。これを逆手にとった逆のバージョンもあって,たとえば勉強をする時にいつも同じ音楽を聴く。そうすると次第にその音楽がかかったら勉強モードになります。これもシンプルながら効果は絶大です。
私は会社勤めをしながら通訳養成スクールに通っていた頃は起きたらとりあえず最速で家を出る習慣になっていたのですが,①玄関を出ると同時にイヤホンのリスニング音声ON,②何も考えずに職場の前のカフェに開店時間(朝7時)に行き,席に着いたら自動で学習開始,の2つのモードが出来上がっていました。そして前回の記事【1】でご紹介したとおり,ストップウォッチをONにすると自分のスイッチもONになる状態でした。通勤は片道45分ほどかかっていましたからこれだけで往復90分のリスニング,そして始業までのカフェの集中モード90分,どんなに忙しくても毎日3時間確保できていました。これが1年,2年と続くと大きな違いとなってきます。
ちなみに私は朝学習していましたが,この頭が疲れていない時の90分て本当に捗ります。いつも3時間くらいに感じていました,本当に。
仕組みを作ることに心血を注ぐ
今回ご紹介した内容,特に【1】は元々,弁護士の山口真由さんの『東大首席が教える超速「7回読み」勉強法』という書籍を参考にしていたのですが,最近では『億までの人 億からの人』の田中渓さんがトレーニングを継続する仕組みとして同じようなことを仰っていました。やはり圧倒的な成果を出した人は本当に仕組み化が上手いと感じます。
ここまで色々と書いてきましたが,如何でしょうか。やはり語学は継続がものをいいます。コツは根性論に持ち込まないで何も考えずに始められるしくみを作ること。成果を感じる,自動モードにする,視点はなんでもいいのですが,ぜひご自身の生活に合わせてうまく続くコツを考えてみてください。一緒に頑張りましょう,Bon Voyage!
