【海外未経験から通訳まで①】英語が苦手!から通訳スクール入学まで

私が通訳になるまで

こんにちは。会議通訳のあひるです。

私は海外経験もなく,社会人になってから英語を勉強して会議通訳になりました。元々英語は『苦手』というより『嫌い』。そんな私がどのようにして会議通訳になったのか,少し詳細な学習歴をお話します。

1回目の今回は,英語が『嫌い!』から『やっぱり話せるようになりたい!』と思い,通訳者養成スクールの門を叩くまで。プロフィールとの重複もありますが,これから学習する方に少しでも参考になれば嬉しいです。

苦手な英語に向き合うまで

エンジニア職で会社づとめをしていた私

私は大学入学まで海外経験もありませんでした。学生時代は理系。英語は苦手,以前に嫌いで逃げ回っていました。

初めて『英語を勉強しなきゃ』と思ったのは,社会人になって2,3年経った頃。当時は日系企業でシステムエンジニアをしていました。

やりたかった仕事だったので楽しくはあったのですが,やはり働き方はハードな業界。

心のどこかであまり長くは続かないと感じ始めていました。完全に違う職種も考えるなら,やっぱり英語もできないとまずいかな・・・,ぼんやりとそんなことを思うようになります。

とはいえなにせ嫌いなので,仕事の忙しい中で勉強などする訳もなく,結局英語になんて手をつけることもないまま退職。

当時は大きな組織で働くことに疲れてしまっていて,とにかくゆっくりしたかった。

日々のんびりと好きなことばかりしながら過ごすうち,次第に気持ちも前向きになってきます。

それまでは日々忙しく,考えるのはせいぜい数日後から数週間後くらい。しかし心に余裕ができたことで,これからどうしよう,どんな仕事しよう,と,前向きに考えられるようになります。

本を読んだりふらりと旅をしたりして過ごすうち,ふと思い立って短期集中の英語コースに通います。

初級コースから始めた英語

当時は英語に特別な興味があったというより,ただ何かを変えたかった。『なにか新しいことを初めてみたい』と思った時,たまたま思いついたのが英語だったんです。

これが私にとっては初めて自分のお金を払って大嫌いな英語に取り組んだ経験となりました。

事前にレベルチェックテストとネイティブ講師とのインタビューを受け,私は初級。1,2,3:初級,4,5:中級,6,7:上級という7段階設定のうち,3でした。

10週間,月曜から金曜まで毎日10:00-15:00の短期集中コースで15時には終わり。クラスメイトは固定で10人ほどだったと思います。

プレッシャーから解放されて感じた楽しさ

それまで英語といえば,『仕事のために嫌だけどやらなくてはいけない』『キャリアアップに必要』なもの。気持ちはハードな競争社会から抜け切れていなかったんです。

しかし今回は半年ほど仕事もせずにゆっくりと過ごした後で,特に到達しないといけない目標があるわけでもない。

クラスメイトも平日昼間に集まるメンバーですから仕事にあくせくしていることもなく,なんとなくみんな余裕がありました。

そしてなにせこれまでまともに勉強したことがなかったので,ちょっと勉強すればそれだけ伸びていきます。

この,リラックスして英語に向きあえたタイミングがとてもよかったのだと思います。

先も見えず,これからどうしたらいいかもわからない中,初心者の語学はやればやるだけできるようになります。それが楽しくて『もう少し続けてみよう』という気分になります。

一般的な語学学校の初級コースですから,実際に学習した内容自体は絶対に独学可能。しかし初めて自分の意思で自分のためだけに学習して楽しさを知った,その事自体が大きな転換点になりました。

TOEIC800から外資系企業へ

英語を使える仕事をしたい!

ここで『英語,意外と楽しい!』という経験をして,真剣に英語を使う職場へ転職することを考え始めます。

なにせ先が決まっていなかったので,なにかを新しく始めるハードルはゼロ。

しかし英語力がないことはもちろん,英語での業務経験もない。そこで始めたのがTOEIC対策でした。

ある程度の点数があれば,未経験でも英語を使う職場へ転職できるだろうと考えたのです。

とりあえず始めてみたTOEIC対策

ちなみにTOEIC,真面目に対策したのは初めてでしたが受けたのは初めてではありません。

新卒で就職活動をする時に2,3回受験し(させられ?)ました。当時の点数は残っていないのですが,400点代だったことは覚えています。

このブログでも常々お伝えしていますが,ある程度以上の英語力を身につけるには英文解釈のスピードを上げることが絶対に必要。

しかし初心者の場合,(その時間のかかるプロセスを経なくても)ちょっと単語や文法を覚えたりするだけでもTOEICは結構点数が上がったりします。

なにせ元が穴だらけなので文法知識がちょっと増えただけでも点数になるし,たとえリーディングが半分しか終わらなくても解いた分が合っているだけでも結構点数が上がります。

そんなこんなでしばらくは結構楽しく,市販の教材で学習してはテストを受けていました。

今考えるとかなり非効率なやり方でしたが,これだけ対策本が出ている試験でもあります。なんとなく進めていても続けているうち,そして数打つうちにそこそこ点数が出たりします。

なにせ気分がのっている時だったこと,そしてやればやるだけ伸びる時期だったこともあって,結構楽しく続けます。

TOEIC800点,外資系企業へ

しばらく600〜700点代を推移していたのですが,ある時奇跡の800ジャスト(!)が出ました。

これを履歴書に書き,転職活動を始めます。まだギリギリ第二新卒の年齢だったこともあり,未経験ながら英語が公用語の外資系企業でまったく別職種で内定を頂きます。

余談ですが,転職後も何度かTOEICを受けましたが800点はずっと出ませんでした。本当に奇跡の1回で,実際はコンスタントにTOEIC800点を取れる実力はなかったと思います。

(TOEICは時々このようなことが起きます。とにかく点数が欲しい方,とりあえず数を受けてみるのも一案です)

英語を勉強『しなきゃ』から『したい』へ

『英語を勉強しなきゃ』と英語の短期集中コースに通い,TOEICも受け,英語が公用語の外資系企業に転職しました。ここまでの英語学習は『転職のため』『TOEICのため』。

英語を勉強『しなきゃ』が初めて『したい』に変わったのは,海外駐在がきっかけでした。

初めての海外駐在へ

英語が公用語の外資系企業ですから,当然のように英語で業務をこなすことが求められます。

しばらく海外駐在の機会も頂いたのですが,なにせ完全に付け焼き刃の英語だったことに加えて外資系企業の文化も初めて。右も左もわからず本当にいろいろな方にご迷惑をおかけしました。

仕事自体はほとほと向いていないと痛感したのですが,しかしこれがきっかけで本気で英語が話せるようになりたいと思うようになります。

『やっぱり英語を話したい!』

当時の自分が未熟で方々にご迷惑をおかけしたからこそ,本当にいろいろな方に助けて頂き,よくして頂きました。

そのような人たちの温かさに触れる中,もっと英語ができたらみんなと仲良くなれるのに,と心底思ったのです。

仕事のためではありません。仕事などの見返りなしに,純粋に英語ができるようになって,手を差し伸べてくれた皆さんともっともっと仲良くなりたいと思ったのです。

半年ほどで帰国し,ここから本気の英語の学習が始まります。

本格的な英語学習フェーズへ

当時はとにかく勉強したかったので,負担の少なそうな(=残業のなさそうな)英文事務の有期の職につき,9:00-17:00で事務職をしながら本腰を入れて英語学習を始めます。

まず,そもそも(外資系企業に入社する時点でクリアしていなければならなかった)TOEIC800点の能力さえ自分にはなかった,という思いがありました。そこでTOEIC対策からもう一度始めます。

この時はTOEIC対策コースにも通いました。週に1回3時間×全8回,2ヶ月の完全にTOEICに特化したコースです。

同時に市販の参考書などを使い,自分なりの学習も始めます。

決して効率のいいやり方はしていませんでしたが,しかしやはりビジネス英語の基礎を習得するにはTOEICはとてもいいですね。

続けるうちにTOEIC900点も超え,確実に英語力が上がっていることを実感していました。

同時に初学者の頃の『やればやるだけ伸びる』フェーズはすぎ,なんとなく停滞,なんとなく次の一歩が超えられない。そんな時期ともなりました。

TOEIC900点から通訳者養成スクールへ

この頃は急激な成長を実感しつつ,次への一歩が見えずにいました。

TOEIC900点,私の感覚

当時はTOEICを受けると大抵コンスタントに900点台前半くらい。ほんの1,2年前まで ”Helloと言われましても”とか言っていたわけですから,短期間で一気に伸びた実感はありました。

しかし自分が取得するまで,TOEIC900って殿上人みたいな点数だと思っていたんです。それに比べて自分の能力を振り返ってみると,ハッキリ言って『まだまだ』。

学習者用テキストに載っているような表現はだいぶマスターしてきたし,学習者用音声はそこそこ聞き取れる。だからTOEICのような学習者用ならそこそこ点も取れる。

だけどニュースなんて全然聞き取れるようにならないし本も新聞も全然読めない。

海外旅行のちょっとした会話は全然困らないし,海外の友だちとも1対1で相手が待ってくれる状態であれば話せる。でも大勢の会話になると一気についていけなくなる。

あくまでごく個人的なものですが,TOEIC900点台前半の頃の感覚はこんな感じでした。

初めて感じた上級への壁

今振り返ると中級から上級へ,学習者用から実用へ。この局面をどう超えたらいいのかわからなかったのだと思います。

もう一歩上に行きたい。しかし学習者向け教材はそこそこできるようになっていたので,今さら(高額な)『英語教室』も違う。

1対1での会話もある程度できるようになっていたので,(高額な)ネイティブ講師のマンツーマンレッスンでもない。

これ以上はTOEIC試験対策でどうにかなるものでもなさそう。

そんな時に知ったのが通訳学校,つまり会議通訳者養成スクールでした。

通訳者養成スクールへ

きっかけは,とあるブログ。
世界中を旅行し世界中で働く方がMBA留学や海外移住生活について綴ったもので,新卒の会社を退職してこれからどうしよう,何をしようと考えていた時によく読んでいたものです。

その方は会議通訳ではありませんでしたが,世界中で仕事ができる英語力を身につけたのは会議通訳者養成コースだった,と書いてありました。

これが会議通訳の方が書かれたものだったら,読みもしなかったと思います。参考にならなさすぎる。

しかし自分が憧れるような自由な生き方をしている方が,『通訳にならなくとも結果的に飛躍的な英語力の向上がはかれた』『プロ養成に使用されているメソッド,教材はもちろん素人の英語力向上に役立つ』と書いているのを読み,これだ!と思ったのです。

いくつかのスクールの体験授業やレベルチェックに行き,とあるスクールで通訳者養成コースのひとつ下,通訳者養成予備クラスへの入学が許可されました。

新卒で入った会社を辞めた後,初めての英語コースのレベルチェックで『初級』と判定されてからちょうど2年半後のことでした。

続きは次回

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【会議通訳あひるのプロフィール】

元:英語の苦手なシステムエンジニア。30目前の初・海外駐在をきっかけに英語を勉強して通訳に転身,現在キャリアは十数年。カナダ人夫,2男1女と日本在住。

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