こんにちは。会議通訳のあひるです。
一定以上の英語力をつけるため,やはり読むことは欠かせません。私自身も英語が『苦手!』から通訳になるまでのプロセスではいろいろなものを試してきました。
学習教材から洋書への橋渡しとして,GR: Grated Readersから読みやすいものを紹介しています。
今日はその中でもノンフィクションの魅力をお伝えし,Leaving Microsoft to Change the Worldをご紹介します。
Leaving Microsoft to Change the World
英語で読むノンフィクションのススメ
以前,読みやすい洋書の選び方の記事で詳しく書いたのですが,やっぱり凝った表現の多い複雑な物語は難しい。心の琴線に触れる物語も素敵ですが,嫌になってしまっては元も子もありません。
そこで少し骨のある本を読んでみたいと思った時にオススメなのがノンフィクション。Grated Readersでも結構出ています。
前回は時事トピック関連の本をまとめてオススメしましたが,もう少し楽しいストーリーが読みたいけれど小説は難しい,という方にピッタリなんです。
今回ご紹介するのはLeaving Microsoft to Change the World。
本書はGrated Readersありきで書かれたものではなく,単行本をリライトしたもの。
実はこのPenguin Readers,いいものがたくさんあるものの最近どんどん刊行が減っていたのですが,本書はKindleで読めるようなので今回取り上げています。
マイクロソフトの要職についていた著者が休暇でネパールに行き,学校に充分な本がない,設備がない,子どもたちが満足に教育を受けられない現状を目の当たりにします。そしてマイクロソフトを辞め,途上国の子どもたちの教育環境を向上すべく奮闘するさまが描かれます。
初心者にも読みやすいレベル感でありながら読み応えは充分です。
好きを仕事にできるって素晴らしい
これはいつか書きたく思っていたのですが,私は英語学習でも他の分野でも,成果を出す人の唯一にして最大の秘訣は完全に没頭していることだと考えています。
ハマるって強いし素晴らしい。そしてそれを仕事にできるなら,本当にそれ以上のことはないですよね。
本書を読んでいると,もちろんご著者自身の熱意,心の動きはしっかりと感じるのですが,同時にきっとまわりもワクワク働いていたのだろうと感じます。
やはりビジョンあるリーダーにはみんなが本気でついてくるし,本当に必要とされるサービスが提供されるのでまわりみんなが満足する。働く,ということについて考えさせられます。
途上国の子どもたちの学習意欲(と英語力)
このようなストーリーですから行く先々で子どもたちとの交流があるのですが,その子どもたちの学習意欲には素直に頭が下がります。
そもそも学校に本がない,まともに学校にも行けないような場所でみんな必死に勉強し,著者と普通に英語で話しています(なんで!?)。
英語できないとか言ってる場合ではないと素直に反省しますし,また,子を持つ親としても考えさせられます。
とりあえず衣食住は満たされた日本,子を早朝から畑に駆り出す必要もありません。
ご自身が充分な教育を受けてきたからこそ同じ環境を,と教育費は惜しまない親御さん,自分が学歴で苦労したからと,これまた教育費は惜しまない親御さん。
特に今の日本の子育ては『孤育て』なので,皆さん正解もわからないままとにかく手探り,子どものためになりそうなことをあれやこれや与えます。
しかし結果だけを見ると,日本で学校の他に塾まで行っているような子どもたちより,毎日親に熱心に勉強を見てもらえる子どもたちより,この子たちの方がコンピュータも使え,英語も話せ,何より学習意欲も高いのではないか,などと思ってしまいます。
そして本を与えられたら,間違いなく自分たちで吸収し,学んでいくと思います。
教育って,なんなんでしょうね。ひとりの親として考えさせられます。難しいですよね。
そして,6年半の重み
本書は著者が初めて休暇でネパールを訪れたところから始まります。それが1998年。そして締めくくりが2005年(著者の活動自体はその後も続いています)。
初めてのネパール訪問から始動までは少しタイムラグがあるので実質6年半ですが,この6年半でできること,変われることの大きさに素直に感嘆します。1人の人間としても,組織としても。
6年半前,どんな生活をしていましたか?長いようで短く,意外と変化がないまま過ごせてしまうような時間であるような気もします。
しかし,本気で何かに没頭していると6年半ってすごいですね。そんなことも改めて思います。
レベル感
このPearson English ReadersのLevel3はPre-Intermediate(初中級),語彙数1200, CEFR A2-B1と紹介されています。語彙数と総合的に考えると英検準2級程度でしょうか。本書の総語数は14,017語です。
2020年度までの学習指導要領では,中学卒業時までに学ぶ語彙数が1200語程度でした。2021年度より小学校600~700語と中学校1,600~1,800語で,中学校卒業までの合計が2200~2500語となっています。2020年までに中学校を卒業された方なら中学卒業程度,それ以降の方なら中学校1,2年生程度と感じるかと思います。
なお,本書はオリジナルがあります。原書はペーパーバックで288ページ,そして本書は58ページ(本文のみでは48ページ)ですのでかなり読みやすくなっているのではないでしょうか。それでも著者のその時その時の心情はしっかり伝わるし,充分楽しめる内容となっています。
如何でしたか?思うことを徒然と書いてきましたが,私には面白かったです。よかったら,ぜひ。一緒に頑張りましょう,Bon Voyage!


