こんにちは。会議通訳のあひるです。
英語学習では必ず読むことを勧められますし,外国語として高度な英語力を習得した方は必ずと言っていいほどしっかり英語を読んでいます。英語力向上に読むことはとても大切なのですが,これは単純に『読む能力』のためだけではありません。読む・聞く・書く・話す,すべての技能の基礎になります。今日はそのしくみについて,お伝えします。
英語を読むということ
そもそも,英語を読むというのはどういうことでしょうか。
I have a pen. という英文を見てみましょう。小学校や中学校で英語を学習していればお馴染みの文章でしょうか。これを解釈してみましょう。I = 私,have = 持っている,a = 1本の, pen = ペン,ということで,『私はペンを持っている』,といったところでしょうか。
それでは I have had this pen for ten years. だったらどうでしょう。I = 私,have, は?
そう,英語ってただ単語の意味を繋げるだけでは読めないんです。この場合,最初のhaveが現在完了のhave, ふたつめのhad (have)が『持っている』です。英文を読むというのは,詰まるところこの構文を再構築する作業です。
そもそも英語の文章なんて,単なる単語の羅列です。英文を読むというのはその無意味な単語の羅列の意味を解釈するため,意識的であれ無意識であれ,この構文解析,再構築のプロセスです。英語で長い文章を読むというのは,この無意味な単語の羅列から構文を再構築していくことの連続です。
聞く・書く・話すにつながるしくみ
さて,では英語を聞く,書く,話すということを見ていきましょう。
英語を聞くということ
聞くことも読むことと同じように与えられた単語の羅列から構文を再構築していく作業ですが,スピードが違います。自分のペースで行うのがリーディング,相手のペースで行うのがリスニング。そのため,一般的な英語音声のスピード以上で英語が読めるようになると,一気にリスニングが楽になります。なぜなら,根本的な英文解釈のスピードが上がるから。
もちろんリスニングの場合,英語の音に慣れる必要があります。しかし音に慣れること自体は,実はそこまで大変なところではないんです。『英語が聞き取れない!』と感じる真の原因はむしろ,実は英文解釈のスピードが追いついていない,というケースの方が圧倒的に多いです。だから長文がある程度の速度で読める状態でリスニングに取り組むと,割とすぐに聞き取れるようになります。逆に長文が読めない状態でリスニングに取り組むとどこかで頭打ちになる。これは前回の記事で詳述しています。
英語を書くということ,話すということ
そして書く,話すはどうでしょう。こちらも言うまでもなく,英語の構文を構築していく作業です。ある程度の時間をとれるのがライティング,自然な速度で相手に合わせていくのがスピーキングです。
『英語が読めるようになると話せるようになる/書けるようになる』と言われるとなんとなく『え?』と感じるかもしれません。でもやはり日常的に読んでいて,無意識にこの『構文再構築プロセス』が身体に馴染んでいる方が書いたり話したりしようとすると,やはりいったん取り組み始めた後の習得スピードがとても早いと感じます。逆に読むところがすんなりといっていない,つまり英文解釈のスピードが充分でないと,やはりどこかで頭打ちになってしまうようです。
私自身も海外未経験,英語は超苦手!から英語を克服してきました。その中でやはり『読めるようになる』ってすごく時間がかかったんです。しかし同時に,ナチュラルスピードで読めるようになると,読むだけでなく聞く,書く,話す,すべての風景がガラリと変わって感動したことを今も覚えています。もし今英語に取り組んでいる方がいたら,ぜひそれを味わって欲しい!一緒に頑張りましょう。Bon Voyage!

