こんにちは。会議通訳のあひるです。
通訳をしていると時々,ピアノやってた?と聞かれることがあります。曰く,耳が多様な音に慣れていると外国語の習得に有利だとか。
しかし自分自身の経験を振り返ると,『耳が慣れている』ではない,別の面での効用をむしろ強く感じます。今日はそんな話です。
ピアノができると英語ができる?
通訳という職業柄,よく聞かれるのが海外経験。『小さい頃に海外にいましたか?』と。
私は成人するまで海外経験はありませんでしたのでそのようにお伝えすると,続けて『ではピアノとか,なにか楽器はやっていましたか?』と聞かれることがあります。
実は私,この質問を頂くようになるまでこの楽器と外国語の関連性については全く知らなかったのですが,でも聞かれたのは一度や二度ではないんです。
曰く,小さい頃に楽器をやっていると耳が多様な音に慣れるため,外国語の習得に有利だとか。実際にそういう研究結果もあるようですね。
あひるのひよっこピアノ歴
ちなみに,ピアノはやっていました。あくまで子どもの習いごと,完全な趣味というか遊びですが,それでも結構ちゃんとやっていたと思います。
親が小さい頃はとにかく遊べという考え方で習いごとには懐疑的で,毎日練習しないならやめなさい,と日々言われていたことも影響しています。
年中から小学校卒業までの8年間は日々の練習も欠かさず結構しっかり続けていました。
中学校に入るとだんだん学校が楽しくなってきて数ヶ月もする頃にはあっさりやめてしまったのですが,それでもピアノ自体は好きで時々弾いていました。
高校生になってからまた再開し,大学受験がかなり迫る頃まで(現実逃避に)続けていたと思います。
ピアノ自体が好きだったのはもちろん,なにせ凝り性なのでクラシック音楽への理解も深まり,子どもが生まれるまではヒマさえあればコンサートにも度々足を運んでいました。
スキルとしては大したことはありませんが,それでも幼少時代に楽しんだ大切な趣味のひとつです。
ピアノを通して学んだこと
さてこのピアノ。決して才能はありませんでしたが,それでもかれこれ10年も毎日やっていればそこそこ弾けるようになります。
それがしばらく練習しないと,見事に弾けなくなるんです。
小さい頃は日々弾いていたので小学校を卒業する頃にはそこそこ指も動き,それがいわば『当たり前』の状態。
だからやめたら弾けなくなるということが想像できなかったんです。
そこで中学校が楽しくなってきた頃,(これは大きな勘違いだったわけですが)もう好きな曲は自分で自由に弾けばいいわけだし,レッスンには行かなくてもいいかな,と思ったわけです。
しかし数ヶ月,数年経ってから久しぶりにピアノに向かっても,思うように弾けない。そこで高校生になった頃,また弾けるようになりたいなと再開するわけですが,空気のように毎日練習する習慣が一度崩れてしまうとやっぱり思うようには弾けないんです。
一時集中して練習すると特定の曲は弾けるようになるのですが,一度やめるとすぐ弾けなくなる。
大学生になってひとり暮らしを始めてからも小さなワンルームに電子ピアノは置いていたのですが,初めてのひとり暮らしで自由気ままに遊びまわる日々。毎日練習なんてしませんから,やはりスキルは戻りません。
少しづつでも毎日続けていると確実に上達するけれど,やめると忘れるのはごく早い。
私は幼少期のピアノを通じて,この感覚が骨の髄まで身体に染み込んでいます。
ピアノができると英語ができる,の本当の効果
さて,冒頭の『ピアノができると英語ができる』。
私は『小さい頃からピアノをやっていない』状態はわからないので,いわゆる『耳が音に慣れている』効果についての比較検証はできません。
しかしこの,『少しづつでも毎日続けていると確実に上達するけれど,やめると忘れるのはごく早い』と,身体感覚として知っていること,これは間違いなく英語力向上,というよりも英語学習の継続に役立ったと感じています。
楽器も英語も身体スキル。しかし同じ身体スキルでも,たとえば自転車とは大きく違うと思うんです。
自転車は小さい頃に一生懸命練習した方も多いのではないでしょうか。しかしあれは一度習得すれば,しばらく乗っていなくても忘れることはない。
しかし英語はピアノと同じで,日々少しづつでも続けていると,結構ビックリするくらい上手くなります
(その変化を自分で感じられないことはありますが→年度末,振り返りの効用:成長が見えることがやる気スイッチに)
でも少し覚えた,少し話せるようになったからとやめてしまうと,あっという間に忘れます。
私は海外経験もなく,社会人になってから英語を習得して通訳になったため,英語学習にはそこそこの期間を費やしました。
その時,ピアノを通じて継続の効果を身体感覚として知っていたことが,続けるモチベーションとして大きな効果を発揮したように思うのです。そして,仮に本当に『ピアノができると英語ができる』とすると,本当の効用はここにあるのではないかと感じます。
如何でしょうか。少しでも参考になれば幸いです。一緒に頑張りましょう,Bon Voyage!



