こんにちは。会議通訳のあひるです。
しばらく英語の学習用教材から洋書への橋渡しとしてGR: Grated Readersから読みやすいものをご紹介しています。7回目の今回は,Women Who Made a Difference。9人の女性たちの人生の物語です。
物語としての人物伝
私は以前読みやすい洋書を選ぶポイントをお伝えした記事で,やはり小説やフィクションの類は表現が凝っていたり非現実的なことが起きたりと難しく,ノンフィクションがおすすめだとお伝えしました。
それでもやはり,人の人生というのはそれ自体がひとつの物語ですよね。
そういったことをしみじみと実感できるのが,このWomen Who Made a Differenceです。
Women Who Made a Difference
こちらはmade a difference, あえて日本語にすれば『影響を与えた』9人の女性の人生の軌跡を紹介しています。
- Greta Thunberg(グレタ・トゥーンベリ)
- 向井千秋
- Marie Curie(マリ・キュリー,キュリー夫人)
- Yuna Kim(キム・ヨナ)
- Frida Kahlo(フリーダ・カーロ)
- Maya Angelou(マヤ・アンジェロウ)
- Sabiha Gökçen(サビハ・ギョクチェン)
- Miuccia Prada(ミウッチャ・プラダ)
- Clara Campoamor(クララ・カンポアモール)
イギリスの出版社ですから,日本人にとっていわゆる有名な女性とは少し異なるかもしれません。
だからこそ日本語では読めないセレクションになっているのが嬉しい。
1人あたり7ページから10ページ。
これまでSteve JobsやElon Muskなどを紹介してきましたが,ここまでしっかりとは読まなくてもいい,しかしただWikipediaで調べるだけではない人間味や人生の物語が感じられる,そんな絶妙な長さとなっています。
Inspiringという評価軸
それぞれのやり方で,世の中に影響を与えた女性たち。
それぞれ選ばれた理由(のようなもの)が書かれているのですが,中でも多いのが『たくさんの人に感銘を与えた』『周りが変わった』といったもの。
あくまで私感ですが,日本では『頑張った』がすごく大きな評価軸になる気がします。あの人はこれだけ頑張った,だからすごい,と。
対して欧米ではこの『まわりの人に感銘を与えた』『行動を変えた』,英語で言うInspiringである事が非常に大きな要素となる気がします。
評価軸の違いですから,どちらがいい,悪いという話ではない。
ただこの評価軸ゆえ,ここに紹介されているのは単に頑張っただけでなく,まわりがワクワクと応援したくなる,自分も何かを変えてみたくなる,そんな人たちばかりです。
しかもおそらく,本人たちもその努力をただ根性で頑張るだけではない,心から楽しんできた結果であるように感じます。
だからこそ,読んで元気になれる人たちが集まっているのだと思います。
やっていい,を証明した女性たち
それぞれの人生のタイミングで出会ったものに対して『やりたい!』と飛び込み,それぞれのやり方で達成していった9人の女性たち。
100年(以上)前に生まれた方から現役で活躍中の方まで時代背景はいろいろですが,ひとつ共通しているのが当時なら『やろうとも思いつかない』ことをした人たちであるということ。
しかも当人たちにしてみれば,(おそらく)日々の選択の積み重ねの結果として,ごく自然に。
これは常々思うのですが,こんなことしていんだ!っていう先例がある,つまり『やっていい』って知っていると頑張れることってありますよね。
それを誰のためでもなく自分の心の赴くままにやっていて,成果を出している。
それだけのエネルギーを産み出すほどの大きな熱意とその物語。やっぱり純粋に読んでいて面白いです。
できる,を証明した女性たち
私は英語を主題にこのブログを書いていて,その文脈でもよくお伝えしていますが,やはり『(一見無理だと思われるようなことも)やってみると(意外と)できる』と知っていることってとても大事だと考えています。
やってみたらできると知っていれば,一見無理そうなこともやってみようと思えるのではないでしょうか。
そして達成すればもちろんハッピーだし,しかしたとえ予期せぬ結果になったとしても,何か『やってみたい!』と心動かすことをやってみるって本当に学びだらけの経験だと思うんです。
その『やればできるよ』を,特に努力ということではなく,ご自身がある意味わがままに,思うように試した結果として世界に示してくれた。そんな9つの物語だと感じます。
9つの小さな人生の物語
それぞれ達成されたことは偉大です。
しかし改めて読んでみると,やはりそれぞれに大切な出会いがあり,時々の岐路があり,その時その時で自分が正しいと思う方向を選び続けた結果,世界に影響を与えた。
そのひとつひとつの出会い,場面,想いや選択は決して大それたものではなく,とても小さくささやかで,私たちの日常でも出会うようなものです。
ここで紹介されている9人は,そんなひとつひとつの小さな物語を紡ぎあげた結果のInspiring Womenなのだろう,そんなことをしみじみと感じます。
レベル感
こちらはOxford Bookworms LibraryのLevel4。公式サイトではCEFR B1-B2,使用されている語彙レベルは1,400語程度, 1冊あたりの総語数の平均は16,000語程度と紹介されています。本書の総語数は16,089語。日本の資格試験では英検2級〜準1級程度とのことです。
いろいろ雑多に話してきましたが,やはりこの9人の女性はInspiringという評価軸で選ばれているだけあって,読んでいて元気をもらえます。こんな風に生きていいんだ,こんな事ができるんだ,と。
そういうものを読むと,やっぱり自分ももう少し頑張ってみようかなと思える。一緒に頑張りましょう, Bon Voyage!

